できないことより、できることを見る
自分にはできない・・・
「自分は欠点ばかりなのです。だから、こんな人間は好きではありません!」
そう言う彼女。なぜこのように思うようになったのでしょうか?
それは学校でのこと。
勉強がうまく捗らない。苦手なことが多い。何をやっても飽きっぽい。コミュニケーション下手・・・。
どうも自分は他の生徒と比べると劣るような気がしてきたとのこと。
実際、先生に叱られることも多いように感じ、ダメな人間というレッテルを自分自身に貼ってしまったのです。
友だちのようになりたい・・・
もっと何でもできる人になりたい・・・
先生に叱られることがなくなれば・・・
そう考えるのも無理はないのかもしれません。自分には無いものが他の人にはいっぱいあると見えたのでしょう。
自分にもできることがある
そんな彼女が、ハッと気づくことがありました。
それは、自分と同じような人がいる・・・!と気づいたとき。
友だちはたくさんいるのですが、今までは自分より優れている点ばかりを見ていたのです。
実は、その中には自分と同じくコミュニケーション下手な人がいた・・・。
それに気づいたとき、とてもとても親近感がわいたのです。
自分だけではなかった!ということがわかり、ちょっと楽になったのです。
そしてコミュニケーション下手な友だちとお互いを認め合い話をする中で、自分のことを羨ましく感じていると言われたのです。
これは考えられないこと!
何が羨ましいのか・・・それは、字が上手い!ということでした。
こんなこと何でもないことだと思っていた彼女は、驚くとともに嬉しさを感じたのです。
誰よりも文字がキレイに書けること。確かに、先生にも褒められることがありました。
そう考えると、自分にできることで少し自信のあることが見えてきたのです。
学校のことばかりではなく、自宅でお母さんに包丁の使い方がとても上手だと言われたことがあったそうです。
誉められることだけが自分の得意とする分野とは言い切れないのですが、励みになることは間違いありません。
すると、できることもある・・・と考えるようになりました。
人は誰でも、得意とすることと不得意なことがあるものです。
それを判断する方法の一つが、他の人の言葉によるもの。誉め言葉とは、何より自分の見えなかった部分を見てくれていること。
できないことより、できることを探せばいいんだ!!そう彼女は気づいたのです。
そして、できないことも自分で頑張るようになり、できるようになりたい!という気持ちが湧いてくることを感じるようにもなりました。
何か一つのことから、自分自身のことに自信がもてるようになる・・・。
どうでしょうか?
できることを見る
私たちは、普段の生活で当たり前のように行動したり考えたりしているものです。
その当たり前ということが、他の人にとっては当たり前にあたらない場合があるのです。
子どもさんが物事を覚え、自分でやろうとしている時、失敗はつきものです。
それを失敗したから、もうやらない!と思わせるより、こうしてみようなど上手くできる方法を一緒に経験させることが必要です。
出来たら誉める。できなかったら、もう一度工夫を加えて指示してみる。
失敗を重ねながら成功した時の感激は、必ず子どもさんの自信に繋がるでしょう。
先に話した彼女ですが、綺麗に文字を書くことを誇りとすることで、書くことがより好きになりました。
他の友達にはまねのできないことを自分で見つけた時、誰かと比べることの必要のなさを知りました。
今まで、自分にはできないことばかりが見えていましたが、今はできることを見るようにして、それを高めようとする意識まで湧いています。
互いにコミュニケーション下手であった友達には、笑顔が誰よりチャーミングだということを伝えました。
お互いが自分を高められるような声かけができること・・・
これが何より二人にはできること!なのです。互いを励まし高めあうことができる声かけなのです。
相手の良い点ばかりを見ている、誰にもそんな経験はあるでしょう。
でも、鏡に映した自分を誉めてあげる時間も大切なのですよ!
「今日も笑顔で過ごせたね」「学校では、授業に誰より集中していたね」
たったこれだけの他愛のないことでも、今日の自分にできたことの確認にもなります。
そのできることをしっかりできたことに対して誉めてあげる。
すると、明日もきっと楽しくなるのです・・・!
できないことより、できることを自分でしっかり見ていくことが何より大切なこと。
大人でも、子どもでも、みんな同じなのです。