子どもに伝わる指示語
やらせる!という感覚の指示
家庭でも、学校でも大人は子どもたちに対してこうしてほしいという要望を持つものです。
簡単に言えば、散らかしている部屋を片付けてほしいと思う親御さん。
課題をちゃんと提出してほしいと思う先生。
要望というより、大人にしてみれば子どもがやらねばならないことだと理解しているのです。
さて、その時にどのような声をかけているでしょう?
たぶん、〇〇しなさい!とか、△△はちゃんとやるように!などと命令に近い言葉で伝えているのではないでしょうか。
大人にすれば、その声は自然と発せられるものであり、当然だと思い込んでいるのです。
その声に反応する子どもたちは、素直に従う時もあれば、反発することもあるもの。
なぜ、このような態度になってしまうのでしょう。どのように子どもたちは受け取っているのでしょう?
大人が考えることが、そのままストレートには伝わっていないのだと感じられます。
ものの伝え方の難しさをは、このようなところにも表れているのです。
自分が見える指示
では、どのようにすれば大人の気持ちが子どもにも伝わるのかを考えていきましょう。
必要な事の一つには、大人が声をかける時の姿勢にあります。イライラしていたり、急いでいるとしたら手短に言いたいことだけを言い放つようになってしまうのです。
語気も厳しく、押し付けるようにも捉えられることがあります。
もし、自分の状態が上記のようであったのなら、一呼吸おいて大きく息を吐きだしてから声をゆっくりかけることです。厳しい言葉は避けましょう。
さらに指示する言葉は、簡単明瞭であること。つまり具体的に表現することです。
単に片付けなさい!と言うより、この箱の中におもちゃを全部入れてね!というように、すぐに理解でき実行できるように示します。
課題についても、しっかりやるということがどういうことであるのかを話すことです。教科書を見ながら、今までの復習をした後で、今の自分にわかるところだけ、あるいはわからないところは自分で調べてできる範囲で・・・
このように具体的に指示をだせば、自分がどのように進めればよいかは理解できます。
さらに子どもにとっては、先が見通せることが必要なのです。それが見えるからやろうとするのです。
ですから、それができたらどうなるか・・・も加えることで、より積極的に行動するようになります。
「おもちゃをこの箱に全部入れたらお母さんにそのことを話しに来てね!何分でできるかな?楽しみにまっているね。」お母さんの笑顔が見える!
「その課題は、今の自分の力を試すことができる。だから、自分の力でどこまでできるかチャレンジしてみよう。今それをやっておけば次の課題にスムーズに取り組めるからやる価値はある。」先生の笑顔と、自分の自信を持った笑顔が見える。
やる気を生み出す指示
子どもが自主的にものごとに取り組み実践するという過程は、多くが誰かに励まさた経験を持ちます。
励まされるということが自分の力を引き出してくれたことだと理解するのです。
さらに、誰かの喜びに繋がったこと、自分が役に立っていることを知ります。
それが、子どもたちの実践力となっていくのです。
親や先生にとって、子どもたちをいかに成長させるかを考えた時、自分の関わりが大きく影響することを改めて知ってほしいのです。
やる気にさせる言葉や姿勢を常に自分の中に準備しておくこと。
そして、何より笑顔で語りかけることなのです。
厳しい顔つきより、笑顔で語る方が相手の心に響きます。聞こうとします。
指示語は的確に、簡単明瞭に、具体的に、その先にあるものが見えるように使って下さい。
たかが言葉一つといえども、大切に使うことで人は大きく育ちます。
それを忘れないように・・・。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
アメブロで、先生方への小さなアドバイスや応援メッセージを届けています。
ちょっと覗いてみて下さい。
『学校の先生のための、元学校の先生による独り言』