初任の先生方へ、半年後に伝えたいこと
初めのイメージから
学校の先生になった時、誰もがホッとして、さあこれから「先生」がスタートする!と思ったでしょう。
その時、自分のイメージする先生が頭の中に広がっており、きっとこれが自分にも日々めぐってくる姿なのだと思っていなかったでしょうか?
確かに、今まで自分が生徒としての立場で関わってきた先生を思いだす時、良い面(それは自分との関わりにおいて)が浮かぶか、あるいは逆に自分にとって嫌だと感じたことをクローズアップして反面教師として先生を捉えていることもあるでしょう。
さらに、これから関わる生徒については先生としての自分が指導的立場であることから、自分なりに生徒を動かす(コントロールする)ことができると考えていたかもしれません。
しかし、それはあくまでも自分の教員や学校に対するイメージだけであり、実際は違っていることを知ることになります。
つまり、初任の先生として教科指導ばかりではなく、生徒指導や職員間の関係などを含め人間関係の新たな面を知り、学ぶことが始まる時なのです。
半年後、イヤというくらいに思い知ることもあるでしょう。どうしたらよいのかと迷い悩むことが多くなっているはずです。
そこから逃げ出すわけにもいかず、かといって受け入れられない事実も現れる・・・。
さて、どうしたらこれらは乗り越えられるでしょう。
教員として自分の思い
学校では「先生」と呼ばれ、その呼ばれ方にも慣れてくる。すると先生としてふるまう自分がそこにいます。
立場的にそうあらねばいけないのですが、「先生」という立場で何をどうすべきか、生徒や同僚との関わりはどのようにしていくことが良いのかなど、次第に細かい点まで迷うようになってくるでしょう。
例えば生徒に指導をしても、まったく理解を示さない、時に反発してくる。
同僚には上手く話すことができない・・・など。
自分で思い描いていたことの他にも、色々なことがあることを思い知る時もあるものです。
毎日、なぜだろう?どうして生徒に伝わらないのだろう?と考えてばかりいても解決策は見いだせず、気持ちも滅入り、精神的にまいってしまいます。
かと言って、先生になった以上は、何とかしなくてはいけない!という思いも強くなります。
一番ダメージとなるのは、生徒からの言葉や同僚の自分に対する姿勢だと思われます。
自分のことをわかってくれない生徒や同僚・・・自分はこのままで良いのか?
ここには不要なのではないか?居場所が無い!などと思考は巡ります。
この場合、自分のことより対する相手(生徒や同僚)が良くない!という構図の思考となっています。その時には、それを感じるまでの自分はどのような言葉を使い、どのような姿勢で相手と接していたのかを一度思い返してみることです。
自分のことをわかってほしいと思うのなら、相手のことも理解しなくてはいけません。そのためには、相手が感じる自分の姿を知る必要もあります。
教員として意識を高く持ちすぎると、他人の声を蔑ろにすることがあります。
自分はこれしかできない!それを相手が理解すべきだ!こんな身勝手な思考すら浮かぶのでは・・・。
初任者としての意味を理解する
生徒にとって、「先生」とは関わりを持てることが嬉しい人物です。
だから、生徒は自分のことをわかってほしいと思います。生徒なりの勝手な主張かもしれませんが、結局は先生も同じことを考えているのだと思いませんか?
その中で、わだかまりも残ることがあります。どうしても理解しあえないこともあるものです。
それが人間関係なのです。すべての関わりを上手くしなければいけないなどと決められているわけではないのですから。
そんな時には、『こんなこともあるもんだ!』とそれ自体を認めて下さい。
そこにばかり目が行っていると、視野が狭くなり他のことが見えなくなってきます。
人間関係は、多くの形があるものなのです。たとえ、スタートラインについて数歩進んだだけの教員であろうと、「先生」として頼りにしてくる生徒は大勢います。
ベテランには無いものを持っている人こそが、初任の先生!
それを意識してみると、自分に足りないものと今の自分にしかないものが見えてくるでしょう。
今の自分を活かすこと!これが自分のテーマとなるような初任半ばからの時間を過ごしてほしいのです。
そして、わだかまりの残った人間関係については、後になって振り返ると全く違った考え方ができたりするものなのです。
つまり、そこから学んだこともあるということです。
成功や失敗と感じることを自分の中に積み上げることで、経験は豊かになり初任を過ぎた二年目からきっと活きてくることを信じて下さい。
自分一人で何でも考えて実行すのではなく、考えたことを聞いてもらう、そこからまた自分で考えてみるということを忘れずに!!
この半年の出来事を、自分の中で整理して次へ進んでください。
初任の時間は限られているのです。
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