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上級心理カウンセラー  遠藤 久恵のカウンセリング・コーチング

少しだけの手ごたえからでいい

公開日:2023年05月22日 カテゴリー:カウンセリング事例 タグ:

今の生活を変えたい

 

 

ある人がこう言います。「自分を変えたい」と・・・。

彼は自称、引きこもっているとのこと。それでも、今の生活を冷静に分析することはできます。
毎日の状況を把握している中で、どのように変えることを望んでいるのか、どのように生きたいのかなど、抽象的なことから話をはじめました。

それを見通して、まずどこから手を付けられるかを考えてもらいます。

簡単にできることは?今やってみたいことは?具体的に絞っていきます。これは決して大きなことではなく、小さな行動を意識してほしいことなのです。

しかし、実際に考えたことを意識してもすぐに行動に移せるかはわかりません。まず意識していくことからで良いのです。

すでに一歩目は自分の生活を変えていきたい!と口にできたことから始まっているのですから・・・。

ひとりでは悶々とするだけで、考えたとしてもすぐに打ち消したり、どうせ自分なんて!などと自己否定をしてしまいがちなのです。

それを丁寧にゆっくりと確認しながら、今の生活を変えることが自分にとってどのような意味を持つのかを一緒に探り、考えることから始めます。

 

今、手を付けられることとは

 

 

以前の自分が登場します。
こんなこともできた、あんなこともに向かって行かれた、友だちとの関係も良好だった・・・。

そこに戻りたいとの思いもあるようですが、それは過去のことであり未来は違うものであってほしいとの願いもみられます。

さらに自分が向上したいとの思いが強くなっているのです。

しかし、一気にそこに向かうことで到達が早くなるのでしょうか?
気負いであったり、自身の持っているパワーを使いこなすことは難しくもあります。

そこで、焦らずさらに小さな部分から変えていくことを提案します。

自分の生活する環境を見てほしい。自分の周りはどうなっているか、このままが良いかどこか変えることを望むのか。

しばし沈黙。この時間、彼の頭の中では色々な場面が浮かび、様々な思考が入れ代わり立ち代わり現れたことでしょう。

大きく息を吐き、こう言います。「部屋を片付けなくては・・・」
彼は気づいたのです。自分の生活する環境を整えることから始めることだと。

さて、そうと決まればやりましょう。
とは簡単にはいきません。

片付け方がわからないからです。

以前、整理の仕方がわからないため片付けが上手くできないと言う人に、こんな提案をしたことがあります。

自分が生活したい部屋を絵にしてみてほしいと。
すると、ほとんど何も置かれていない部屋が描かれたのです。もちろん、実際はゴチャゴチャした部屋だそうでうが、これを壁に貼り、一か所ずつものを無くしてみようと試みました。

すると、今はいらないものが見えてきます。それは箱に入れておくことで、まず第一段階の片づけは終了。

その人は、片付いた一角をみて感激したそうです。奇麗になったと・・・。そんな手ごたえを感じたのです。
その後は、同じように欲張らずに少しだけ行動してみることにしたとのこと。

ほんの小さな手ごたえが、自分の行動を促した例です。

 

小さくても確かな手ごたえ

 

 

さて彼ですが、前例のように部屋をどのようにしたいのかをイメージしてもらい絵として表してもらいます。
とてもさっぱりした部屋。でも今必要だと思われるものはちゃんと残っています。

つまり、今自分が必要とするものを把握し、それ以外を見えないようにすることを考えたのでしょう。

そして始めたことは、不要なものを捨てること。ほんの少しですがその種わけができたと喜んで連絡をくれました。

彼にしたら、小さくても確かな手ごたえなのです。

一角が奇麗になったことで、次の行動へ繋がります。
でも慌てないでいきましょう。疲れてしまうし、途中で投げ出したくなったりもするものですから。

今、彼は次の段階へと進んでいます。
生活する環境が変われば、きっと自分自身の生活も変わると信じて!

そして、自分が変わることを信じて!

 

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