叱ることができない(下手な)人へ
「叱る」難しさ
「叱ること」はなかなか難しいものである!ということを多くの人が感じているのではないでしょうか。
何故そう思うのかというと、どのように叱ったら良いのかがわからないということがまず挙げられます。
どんな言葉で、姿勢で叱ることをすれば良いのか・・・。
つまり、自分が言うことを理解させるための方法で悩むのです。
「叱る」という行動は、その通りで理解させるために取る行動だと言えます。
それでは今一度「叱る」という行動を考え、自分が「叱る」ことを躊躇いなくできるようにするためにお話しします。
「怒る」と「叱る」
よく言われることですが、誰かに対して「怒る」と「叱る」を混同していることがあります。
「怒る」とは、自分の感情のみで行動し、それを相手にぶつけることで自分自身が納得しスッキリすることだと言われます。つまり、自分のためでもあるということ。
対して「叱る」とは、相手のことを中心に捉えて何故いけないことなのか、どうすれば良いのかなどをその後のことに焦点を当てつつ話すこと。つまり、相手のためであると割り切っている。
前者は、自分の感情に任せて言葉も考えずにあるがままに口から出てくると感じられます。
しかし後者は、相手のことを考えながら伝わるであろう言葉を選んで話します。
この違いが大きいのです。
叱ることが上手くできない人は、自分のためなのか、相手のためなのかの区別ができていないのかもしれません。
それは、自分の感情をぶつけてはいけない!と思うからでもあるでしょう。でも、これは叱ることではなくて怒ることを躊躇うと考えられます。
もしそうなら、それは良いことです。自分の怒りを優先にして相手のことを考えていないのではなく、相手のことを考えるからこそ怒りをぶつけることができない・・・。
そして、感情を相手にぶつけることをせずに他へ向けてみようと思うことです。
相手に感情的に怒りをぶつけてしまうと、相手ばかりではなく自分も後々後悔することになることが多々あるものです。
「叱る」こととは・・・
では「叱る」ためには、まずどのように考えればよいのでしょう。
相手がとった行動や言動について良いことだと思ってほしくない!ということを伝えるのだとまず考えてほしいのです。
そのためには、自分がどう思われようが関係ないと割り切ることです。
人は誰かに良く思われたい!という願望があります。優しい人、物分かりの良い人などと思われていることを喜んでしまう・・・。
すると、そのイメージを崩したくないと思うものです。
だから叱れない!
これは自分に優しいだけで、相手にとっての優しさとは言えません。
相手に優しくしたいのなら、しっかりと「叱る」ことです。
叱れないのではなく、叱ることで自分のイメージを壊したくないだけ!
もちろん、相手に声をかけることには勇気が必要です。
それが持てないのなら、こう考えましょう。
「叱る」という行為は、相手に対するアドバイスなのだ!と。
今したことよりも、こうしたほうが良いんだよ!という感じて語り掛けてみることです。
実は、叱られた本人の方が声をかけられると委縮するものなのです。だから虚勢をはって言い返そうとしてしまう。
経験ありませんか?
その場を逃さずに「叱る」ことが大切なことです。
後で叱ると、その時の感情や感覚を忘れてしまうからです。
時を逃さずに、叱ることは相手にとってとても響くことです。
子どもたちには叱れるが、大人へは叱りにくい・・・。
それも有るかと思います。
しかし、人は間違いをする生き物であり、失敗やミスはあって当然なのです。
何に対して「叱る」のかをハッキリとさせておけば、叱られた意味も理解できるでしょう。
私たちは、叱られることで考え直すこともできます。行動も変えられます。
それは、自分が叱られた意味を理解するからなのです。
叱られずにそのままにされたら、いつか困ることがあるかもしれません。
叱るタイミング、伝える言葉を相手のためを思って使えば良いのです。
「叱る」ことは自分にも相手にも必要なことなのだとと考えられるようにしましょう。
叱られた人は、きっといつか叱られたことに感謝する時がくるはずです。
そして叱った人は、伝えられてよかった、伝わってよかったと感じるはずなのです。