かけがえのない親になる
親として
「私は良い親ではないでしょうか?」
そう話を切り出した彼女は悲しげでもあり、困ったようでもありました。
どうしたのかというと、わが子が騒いでばかりだとイライラしてしまい、つい怒鳴り声をあげてしまうのだとのこと。
後で後悔するようですが、その時は自分の気持ちが優先になってしまい、怒鳴って静かにさせるという行動にでてしまうのだそうです。
確かに、親の言うことを聞かない(聞いてくれない)子どもさんはいます。
彼女は親として、子どもに自分の言うことを聞かせる、素直に従うことを要求しているのです。
どんな親でも、一度は経験があるのではないでしょうか?
もしかしたら、わが子は親の言う通りにするのが当たり前!などと思っていませんか?
子どもに自分を見る
親御さんは、自分の幼い時のことを覚えていますか?
ご両親に聞くこともあるのではないでしょうか。
あなたの娘、息子とそっくり!だと・・・。
先に経験をしている親御さんのご両親に、その時はどうしたか聞いたことはありますか?
もし、聞くことができたらとても参考になるのではないでしょうか。
そして、子どもさんが言うことを聞かない時、自分に置き換えてみることも子どもさんを理解できるカギを掴むことになるかもしれません。
どうして駄々をこねるのか?
何を言いたいのか?
子どもさんは、親に関わってほしいのです。
見えるものがありますよ!
親子関係には、様々なタイプの親の関わり方があります。
子どもさんに依存している場合。これは自分の中で子どもさんがすべてであり、成長して子どもさんが自立すると、親御さんの立ち位置が自分で見えなくなるのです。
また服従させたり支配するというタイプも見られます。子どもの健やかな成長を願って毎日関わっていることだと思いますが、このタイプは自分の思い通りに子どもさんをコントロールします。子どもさんも親の言うとおりに何でも行えばよいのだと信じます。すると、自分に自信が持てないということも現れます。
そして、望まれる関りが支援タイプと言われるものです。子どもさんに関心を持ち、見守ります。そして自立を促すように関りを考えます。
まだまだ放任や迎合なども見られますが、ご自身がこれらのタイプのどこかに映されていますか?
親子の自立に向けて
あなたは、悪い親ではありません。次のことを話しながら、そう彼女に伝えました。
子どもに自分の怒りをぶつける前に、自分自身を落ち着かせることが大切です。
暴言、あるいは手を上げることになることを避けるためにも、まず深呼吸をしてみましょう。
ちょっと顔を逸らせるのも良いですよ。
そして、わが子はこんなに駄々をこねる時ばかりではないことを思い出しましょう。
それくらいの余裕を持ってほしいのです。
きっと、子どもさんも何かを伝えたいという思いがあるのだと思います。
親御さんの我が子に対する責任として、道徳的な躾をすることがあると考えられます。
過保護、過干渉にならず、良いことと良くないことの区別を教えるのも親の務めです。
ここで勘違いしないでいただきたいことがあります。
子どもさんは、親御さんだけに育てられるのではないということです。
多くの人との関わりで、子どもさんは色々なことを学び成長します。
お友達とケンカすることもあるでしょう。
その時に、次第に友達のことを気にすることができるようになります。
他の大人が、家庭から飛び出した世界を教えてくれることだって・・・。
子育ては、多くの人が関わっているのです。
そして、その一つ一つが将来の自立へ繋がる大事な要素なのです。
実は、これは子どもさんの自立だけではなく、親御さんの子どもからの自立も含まれます。
子どもは、育とうとする生き物です。
親御さんも、同じ時代を通ってきました。
先輩としてわが子を見ると、自分のことと重なることもあるでしょう。
あなたが、かけがえのない子どもさんに愛情を注ぐことを惜しまないことで、
子どもさんも、あなたをかけがえのない親として愛します。
互いに成長し、自立していくことが親子としての幸せなのです。