チームとしての組織はどうあるべきか
部活動へのアプローチ
前職にある時、ある部活動の部員にこのような話をしたことがあります。
それは、「チームワークはなぜ必要ななのだろうか?」という内容でした。
そもそもチームとは何なのか。どのような人たちで組織されているのか。何のための集団なのか。
部員たちは、それぞれに自分で考え、探っている様子です。
なぜ、そのような話しをしたのかというと、部内での部員それぞれの在り方を問いたかったためです。
ちょっとした諍いがあったり、誤解から生じた「いじめ」と捉えられるような出来事があり、今話すべきだと判断したからなのです。
たぶん、当たり前のように部活動に参加し、毎日を過ごしている状況で、そんなことを考えもしなかったのでしょう。
部員の真剣な眼差しが忘れられません。
部員一人ひとりから、このチームはこうあったらいいな!という自分の思いを教えてもらいました。
その時は、全員が楽しそうに話し合い、頷きあっていました。
しかし、現状はそうはいかないもの。
それを理解したうえでも、なお自分たちが思い描く部活動は大切にしてほしい・・・。
そう思いながら話を続けました。
職場においても同じ
部員への話しは、まだまだ続くのですが、この話を部活動だけと捉えないでほしいのです。
「チームとは、目標を達成するための集団である」ということをまず押さえて下さい。
どんな職場においても、あるいはどんな組織においても同じことが言えるのです。
人は組織に所属して多様な人たちと関わり、協同していく中において、その中を調整しまとめる力が必要不可欠と感じてきます。
つまり、様々な思考が発現する中で、ゴールに向けて同じ目標を持ち、仕事上の役割分担をし、それを実行するための力を有することを全員が確認して進まなくてはなりません。
組織の中で、一つのチームとしての立場が現れます。
しかし、組織を構成する一員として個人の考えがあり、全体の流れに乗れない時もあります。
もちろん、すべてのことに全員が賛成することなどあるわけもないのです!
しかし、少数意見を排除するわけでもありません。
つまり、様々な意見と試行錯誤の末に生み出されるものを求めるのもチームなのです。
職場において、仕事は部分部分を各自が行う。それが合わさることで一つのものが出来上がる。
そこへ到達するための明確な目標であったり、役割りや協同について、そして時として同じ方向を向いているかの確認・・・。それを怠ることはできません。
それらをチームとしてまとめること、まとまることが要求されるのです。
チームにおける自分
さて、チームとして成立し、さらにチームワークを向上させるためには考えなくてはいけない要件があります。
それは、自分をしっかりとさらけ出す!ことです。
何故ならば、自分が得意とするところや苦手とするところ、また是非関わりたい箇所などをお互いが理解して仕事に落とし込むと、各自のモチベーションが上がるのです。
しかし、ここで忘れてはいけないことは、できることとやりたいことは違うということです。
もし、やりたい!という気持ちだけで配属された場合、実際にはできなかったという結果が現れることもあり、モチベーションは下降します。
それを避けるためには、自分がやるべきことを理解することです。
やるべきことは、自分一人で行うことではないかもしれません。それを共同作業で行うことで達成した時、更なる意欲と自立性が生まれます。
それもチーム全体が向上するポイントとなるのです。
自分の自信とブレない思いが、自分の強みともなるのです。
チームの中の一人であることの意識。チームを構成するために必要とされる人物である!ことを常に念頭においておくと、他のメンバーの思いもしっかりと受け取れるでしょう。
このチームで良かった!と思えるようなチームにするためにも自分の立ち位置を考えて行動することが大切です。
チームに所属する人たちが、お互いにこのように自分を捉えていくことでチームワークは強固なものになるのです。
チームワークが良くなると、付随して成果も現れます。
「効果・効率・満足・学習」(Team Wark Journalより)
何か問題が発生したとしても、その問題をチーム全員で共有することすることで各自が自分の問題であることを自覚し、全員が様々な方向からの解決策を考えることができる。
それは、チーム一人ひとりが必要である!という確固たるチームの存在がそこにあるから言えることでしょう。
人任せにしない、自分のチームであることの意識が高まった時、全体の成果が見えるのです。
チームに所属するということは、そこが自分にとって居心地の良い場所(居場所)であることを理解しているということが必要になります。
そして同じ目標を持ち、そこへ向けて互いの意見を交換し合い、共同、協力しあいながらより良いところへ到達できるような意識を全員が持つことが大切です。
学校では
これを学校に置き換えてみましょう。
学校が進むべき方向、今あるべき姿。
それらを教職員全員が目標とするものを同じくするために、常に意識しながら全体で話し合う機会を設けてほしいものです。
自分には関係ないこと、関係ないものなど何一つないのです。
その学校に所属している限り、その一員であると言う自覚が大切なことです。
つまり、生徒のために!ということを考えつつ、学校のため、自分のためということも含まれているのですから。
そのための意見交換や話し合いを嫌がらずにしでほしいのです。ソッポを向かないでほしいのです。
教職員は、円である配置を描くこと。
いびつな円になったら、なぜ?どうして?と疑問をもってみるのです。
正解を求めるのではなく、教職員同士の互いの考えを知ることを怠らないようにすることなのです。
足並みは、時として乱れるもの。
それでも、また同調するのです。
互いに気にしあうことができる集団であることが、さらにチームには求められること。
簡単な挨拶一つでも、互いの関係性を良好にします。
生徒に向い話していることを、自分に向けても伝えてみて下さい。
耳を傾け、向い合う姿勢。良いチームとなるように全員で考えることができるはずです。
自分のチームに誇りが持てるように、全員で描きましょう。
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