出会いで変わる
一人の女性
あなたは、誰かに影響を受けたことがありますか?
誰かのように生きていきたいと思ったことは・・・?
誰かに感謝したことはありますか?
これから、ある女性のことをお話しします。自分だったらどうしたか、などと頭を巡らせながら読んで下さい。
彼女は小学生の頃から絵を描くことが大好きで、高校生になると一人漫画を描くことに熱中していました。
そのかいあって、雑誌に入選したこともありました。しかし漫画では生活できないとわかり、グラフィックデザイナーを目指し専門学校へ。
基礎的なことを学び、就職。そして退職してフリーで仕事を始めました。
ボチボチ仕事も来るようになり、彼女なりに生活をしていました。
さて、こんな彼女ですが、性格がとてもキツイ!
自分にも他人にもとても厳しい一面を持っています。細かいことにまでこだわりがあり、自分の考えることをとにかく絶対的なものとして進んできました。
面白い話しでは、両親と一緒に食事をしていると、父親の箸の上げ下げにまで注意をする!などということもあったようです。
親御さんは自分の娘でありながら、どうしてこうなったのかわからない・・・と言っていることもありました。
自分の管理もキチッとしており、お小遣い帳から家計簿までに至る数十年間を欠かさずにつけていたり、読書が大好きで読んだ本の感想をノートにまとめているのです。それは、今も続いている・・・!
自分を律していると捉えることも出来ます。
出会い
そんな彼女が突然、目の病気を患いました。最初は網膜剥離。実はここから次々と別の病が発症していくのです。
まるで目の病気のデパートのようだと自分でも表現しているくらいです。
そんな彼女が多きく変化を見せたのが、最初の網膜剥離の手術をしてからです。
どのように変わったのかというと、一言でいえば『人に優しくなった』
とても簡単なことのように思えますが、自分にも他人にも厳しい人が何かの理由で変わること・・・
なかなか難しいのではないでしょうか。
彼女は、後に話してくれました。
それは、ある人との出会いだったとのこと。
私たちは、生まれてから今日に至るまで多くの人と出会っています。
もちろん、その中には自分にとって好まない人もいたかもしれません。
しかし、嫌だと言う感覚を覚えるためには、その人と関わる時間があったから・・・。
それも良し!と思った方が、自分にとっては楽なのです。
今までの彼女の生き方で、決定的に足りないものがあるのをおわかりですか?
それは自分以外の人に対する見方や感じ方が固まっていたこと・・・。
優しさを求めるわけでもなく、強さを強要したわけでもない。
入院、手術を経て自分の命を考えるとともに、先々の生活を考える時間があったのです。
そんな時、毎日のように看護師さんが自分のために嫌な顔ひとつせずに色々なことをしてくれるのを目の当たりにして、今までの自分にはないものを見たそうです。
誰かのために・・・
自分とは別の次元で関わりをもてること・・・
彼女には衝撃的なことだったのです。過去の自分が薄っぺらく、自分勝手な人間に感じられたのです。
それからの彼女というと、顔つきまで優しくなり、誰かのために役に立ちたいという意識が強くなったことは言うまでもないのですが、将来的に自分が失明する可能性を感じ、その中でも生きていくことをしっかりと視野に入れ、点字の勉強を始めました。
今では点字を指導する立場にもなり、どのようにして人と関わることが相手に良い事なのかを日々考えているとのことです。
その他にも、ヘルパーの資格を取得、緑内障に関わる団体の一員として多くのことを発信するようになっています。
生きるということ
たった一人の人との出会いから、人として生きるということを学んだ彼女。
自分や家族のこともさらにしっかりと考え、誰かに喜びを与えるであろう人としての生き方をしています。
普通の人です。どこにでもいる人なのですが、出会いを大切にできる人は自分の生活も豊かにすることができるのです。
出会いは無駄にはならない!
一つの出会いが自分に大きなことをもたらしてくれる・・・
彼女は、いつでもその時の自分の状況を思い浮かべ、人に優しくするということはどういうことなのかとまだ思っているそうです。
それは、人が人として生きていくための生き方を模索していること。
誰かの生き方に、きっと彼女も影響を与えるようになっているのでしょう。
私の尊敬できる人でもあります。
その生き方を身近で見ていて、優しく、柔らかく、時には強くと感じます。
これが自分を高めていく術でもあるのかもしれません。
そんな彼女は、今日も誰かのために生きることが自分のためなのだ!と信じて生きています。
どこかに自分を感じたいのなら、外に出てみましょう。
そこでの出会いが必ず人を成長させ、自分自身を感じることができるのですから・・・。