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上級心理カウンセラー  遠藤 久恵のカウンセリング・コーチング

やり直すために必要なこと

公開日:2022年12月03日 カテゴリー:教員の皆さんへ タグ:

新たな夢が生まれたとき

 

 

これは、ある教員の話しです。
彼は学校の教員として中堅の立場に差し掛かる頃、フッと自分の夢を他の場所に描いたのです。

部活動の指導にとても熱心であり(授業を疎かにすることはありません)、その種目の指導者として専門の道へ進みたいと思い始めたのです。

勤務校の職員の理解のもと、指導者としての資格を上級まで取得し、夢に手がかかりそうでした。

しかし、職場の先生方は彼の一連の行動は、生徒に向けられると信じていたのです。つまり、教員として役立てるための資格取得なのだと・・・。

やがて彼は自分の新たな夢を追うために教員を辞めたのです。
もちろんその夢にはすぐに到達するわけもなく、知り合いのチームからのオファーを待つだけの時間が流れていきました。

その間も、生活のために仕事をしいなくてはいけません。自分にできることは…と考えると、学校の先生。
非常勤講師で働いてはみたものの正規職員のときのようにはいきません。夢を追うことの難しさがそこにあります。

自分の生活基盤がなくなった時、夢を追うことばかり考えてよいのだろうか・・・。
少しの迷いが現れます。

 

 

今、大切なものとは

 

 

今、一番大切にすることは何か?プロチームの指導者としてのみの自分をいつまで待つことができるのか?

実は、とても切実なことなのです。

彼には奥様も子どもさんもおり、生活の支柱となっています。いつまでも夢を追うことは、家族をどこまでも犠牲にしてしまうこと。その上で夢をどこまでも、いつまでも追い続けてよいのか・・・。

自問しながらも迷う時間が長くなります。

そんな日々の中で、自分が今、楽しく有意義に感じれられることは何かを考えてみたのです。

それは、たとえ非常勤講師としてでも学校で生徒たちと関わり、部活動の指導をしている時、そして先生方と交わる時だと気づいたのです。

限りある人生で、夢を追うのも良し。しかし、無期限でそうしていることは生活自体にも支障がでることを改めて知ったのです。

 

やり直しの決心

 

 

そして再び決心します。

自分は教員として生きることを更なる夢としよう!
一度辞めた教員に戻ることを周りの人たちは非難するかもしれない・・・。
それは、以前の教員としての自分の姿勢に問題があったからだと頷いたのです。

先生方との関りも、自分本位のところがあったこと。生徒たちへの指導の結果が芳しくないことも生徒のせいにしていたところがあったこと。

振り返れば、自信過剰な自分であったことにやっと気づいたのです。

恥ずかしくて、情けなくて・・・そんな思いを引きずりながら再度、教員採用試験を受ける決心をしました。

これから、彼のやり直しが始まります。

やり直しを決心するためには、自分自身としっかりと向き合う時間を持ち、今を将来のこと、生活のことを、自分らしさを発揮できる場を考え判断することが必要です。

何より、自分を過信しない姿勢を持ち、客観的に自分を描いてみるのです。

それらを踏まえていれば、やり直しはできる!

今思えば、彼は一度正規教員を離れてよかったのだと思うのです。

それは、ある程度の経験を積み仕事に対する自分なりの自信が持て、その先にはその場で生きていくより新たな世界を見たくなったということだったのではないでしょうか。

自分なら他の世界でもきっとすぐにうまく生きていかれるという思い込みかもしれません。

彼にとっての教員を辞めてからの時間は、決して無駄ではなかったのです。
教員という仕事の見直しもできたのですから・・・。

教員は狭い世界で生きているかもしれません。しかし、視野は広く持つべきです。自分の良しとすることが、他の世界では良しとされることなのか・・・。
自分の物差しを、自分基準だけのものとしないことです。

今の世界で見えること、遠い先に見えてくるものを描きながらその道を歩くことも大切なことです。

夢とは、自分の生きる道。
それは変わっても構わない。

夢の先には、そこから続く夢が広がるはずなのです。

 

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