カウンセリングマインドを持った関わり
人との関わりが嫌になる時
私たちの日常は、人間関係を主体として成立していると言っても過言ではないでしょう。
日々必ず誰かと繋がる場面があります。
それは目の前にいる人であったり、何かを通して繋がる人のこともそう捉えられるのです。
よく相談を受けることで、人間関係が上手くいかない!人と関わることが苦手!ということがあります。
人は、人から生まれ、人の中で育ち、自分のため人のために生きています。
それなのに、周りの人との関わりが上手くいかないと毎日が辛くもなるでしょう。人と会うことも鬱陶しくなったり、避けたりするようにもなるかもしれません。
なぜこのような状況に陥るかは人それぞれの理由があるものです。
例えば、自分が嫌なことをされたり言われたりする。自分が話すことが上手くないので人を遠ざけたくなる。人のこと(目)が気になる。このようなことがあります。
実際、上記のようなことは多くの人たちが経験していることかもしれません。
一人って楽だな!一人でも大丈夫!などと人を遠ざけ、他の人から離れていく人もいるに違いありません。
先にも話しましたが、私たちの生活では人との繋がりがあります。それは自分とは違う人を知ることが大切であるということを学ぶ時間でもあるのです。
では、その人との繋がりをどのようにしたら上手く行くのかを考えてみることにしましょう。
親子関係
例えば親子関係。
親は我が子を慈しみ大切に育てます。素晴らしい宝物として日々の成長を喜びます。
しかし、子どもをいつまでも自分の思うようにしたい・・・という気持ちに変わったのなら、勘違いの始まりです。
子どもは成長と共に自我が芽生え、自分の意思で歩き始めます。それを親御さんとて止められることはできないのです。
親御さんが子どもをコントロールするようなことがあると、子どもは嫌がる時がきます。
親と関わることを面倒くさがり、顔を合わせることさえ嫌がるようにもなるのです。
これぞ人との関わりを嫌がる第一歩かもしれません。
親御さんと子どもの関わりは、近い距離から徐々に離していくような感覚をもってみることです。これは、子どもさんのためというより、親御さんのためなのです。
自分の意のままにならない子どもに対して、イライラすることも増えてくる時期もあります。
その時に、カウンセリングマインドを親御さんが持つことが大切です。
我が子に対して、その存在を一個人として認め、信頼感を持ち、話を受けとめる。ここに親の意見は介在させません。子どもの思いや考えを親御さんが素直に聞き入れること。
その心を持って子どもさんと接することです。
子どもさんが、「親に言っても無駄!」と口にすることがあります。つまり、親御さんが子どもの話しに耳を貸さない状態なのだと察せられます。
もちろん、子どもの話しに対して親御さんの考えを話すことはOKです。ただ、しっかりと受け止めたというサインを送ってからにして下さい。
そして、それを決して押し付けたり強要することのない話し方をすることです。
子どもさんを認めることで、子どもさんも親御さんとしっかり向き合うことを自然なことと感じます。
子どもの成長、自立する心を養うためにも親御さんのカウンセリングマインドは重要になります。
先生と子どもの関係
次に、学校での先生と生徒さんの関わりの中でのカウンセリングマインドについて。
先生は、子どもの成長を導く様々な要素を駆使しながら関わりを持つようにしています。
しかし、時に生徒さんと上手く関わりが持てないこともあります。
それは、お互いの信頼が崩れた時・・・。
これも親子関係に似たようなものですが、先生の指示を生徒が守らない!先生が生徒の言っていることを理解しない!
などの場合があります。
先生は良かれと思い生徒に指示を出し、注意喚起を行います。それを無視するわけではないのでしょうが、生徒からしてみれば、自分には当てはまらないなどと思い、結果指示に素直に従わない場合もあるのです。
生徒は相談したいことがあるので先生のところへ行きますが、忙しさに流されている状況の先生は面倒くさそうな顔をしたり、すぐには取り合ってくれない場合もあるでしょう。
相手の真意を測らずに、自分優先で物事を進めていくという姿勢がどうしても現れるのです。
この状況を、どう考えますか?
この時も、先生がまずカウンセリングマインドを持って生徒と接することです。
指示を聞かない生徒を頭ごなしに叱っても、何も響かないでしょう。それより、子どもが行った行動の理由を話してもらうことから始めます。生徒は生徒なりの理由をもち行動します。認める認めないではなく、その理由をもった元はどこにあるのかを見出すことです。
生徒が相談に来た時に手が離せない場合もあるでしょう。その時には、まず今は忙しい旨を話し納得してもらう。いつだったら時間がとれるかをしっかりと伝えることで、生徒は安心します。決してつっけんどんにならないように!
子どもたちとて、先生が暇などとは思っていません。自分のために時間を作ってくれると信じているから訪れるのです。それに背を向けないで下さい。
聞く耳を持つ、穏やかな心で向い合う
親御さんにしても、先生にしてもカウンセリングマインドを持つことは子どもとの関わりを築くために必要な事です。
その示し方ですが、相手を思いやる優しさや受け入れる姿勢、伝わる言葉を持たねばなりません。
親子では日常から当たり前のように厳しい言葉も飛ぶかもしれません。しかし、子どもがいざという時にはやはり親に話そうと思える姿勢を見せなくてはいけないのでしょう。
何かと言うと「〇〇のためを思ってこう言っているのだ!」などと口から出ていませんか?
それは優しさでも何でもありません。ただ自分の意見の押し付けです。
そして、子どものためではなく親自身のためなのでは・・・?
先生も、「どうして先生の指示に従えないのだ!」と言うでしょう。その前に、この指示は何のため誰のため、そしてその後に何があるのかを考えて発した言葉なのかを再確認してほしいのです。
生徒は先生の言葉を信じ、行動することが安心なのです。しかし、疑問を持つことは間違いではありません。
先生自身の姿勢に、上から目線や先生だからという驕り高ぶった態度はありませんか?
自分がカウンセリングマインドを持った人に関わってほしいと感じませんか?
親御さんも先生も、相対する子どもたちが正直にこちらを向いてくれることを願うでしょう。
子どもさんも同じなのです。
親でも、先生でも自分のために自分の方を向いてくれることを願っています。いや、信じています。
聞く耳を持ち、子ども目線を知る。そこには、かつて子どもだった親や先生が忘れかけていたものが必ず見えてくるでしょう。
優しく穏やかな心を持てるように、日頃から気持ちを整える術を覚えて下さい。
もちろん、イライラする時もあるのは当然です。
その時に、子どもさんに対して八つ当たりのように関わらないで下さい。子どもは遠ざかります。
そんな時は、逆に離れることなのです!
また、子どもさんがイライラしている時に、無理に関わろうとすることもあるかと思います。
子どもさんは彼らなりに考えている途中。邪魔をしないように見守るという姿勢をとることで良いのです。
子どもさんが人との関わりを苦手と感じないようになるためには、こうした身近な人との関わり方がとても大切な役割りを果たしています。
誰もが、自分のことをわかってほしい!と思うもの。
しっかりと向き合う時間を大切にして下さい。
そこから、人と関わることは素敵なことなのだと感じてくれるようになるでしょう。
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