子どもへの向かい方(初任の先生へ伝えたいこと)
最初の思い
自分でクラスを担当すると、クラスの子どもたちは自分が守らねば!自分が成長させねば!などと思うことがあるでしょう。
特に初めて担任になった時には、そんな気負いが大きくなっていることがあります。
この勢いは、とても大切なものなのですが、自分からの一方通行になりがちでもあります。
自分の指導することに対して素直に従い、明るく元気に正しい行いをしていく子ども!これが理想となり、自分ならそう導くことができると思い込んでいることもあるかもしれません。
そんな自分の思いに少し向き合ってみましょう。
先生の感情
子どもたちは日々同じ状態ではありません。家庭や友だちのことで不安を覚えていたら、その様子が変わります。
授業が分からなくなっていると、やる気を失ったように見えます。
とても楽しいことがあった時には、その興奮が抑えられないことも・・・。
こうして子どもたちの感情は、色々なことで変わり溢れてくるのです。
先生は、それをどのように受けとめたらよいのか・・・。
叱る?怒鳴る?静止する?自分が言えば子どもたちは言うことを聞くものだと信じていませんか?
子どもたちの様子いかんで、先生までいつもと違う状態に陥ることもあります。
いつも楽しくお喋りしてくれる先生が、自分の感情を抑えきれずに子どもたちにぶつけてしまう!ありがちです。
自分が注意を与えれば子どもは必ず言うことを聞く!と思っているのは、子どもをコントロールしようとしていることでもあるのです。
ここには先生自身の状態、感情が現れていることです。
子どもたちにとっては、学校では先生の存在は絶対的なものかもしれません。だから先生の言うことはきかなくてはいけない・・・。そんな思いがあるはずです。
しかし、先生の感情によって子どもたちをコントロールするのはいかがなものでしょう?
問いかけの工夫
考えなければいけないことは、先生の感情任せの言葉で子どもを説き伏せることはしてはいけないということです。
あそれよりも、先生が投げかける問いかけや言葉で子どもたち自身が考え行動できるようにするということを頭においてほしいのです。
先生の言葉の意図をくみ取ることは思考力だけではなく、洞察力や判断力を育むことにもなります。
そして、子どもたちがそれを表現できる環境をクラスとして作り上げることです。
間違ったり、失敗することをおおいに認めること。正しい方向へコントロールするよりも、自然と子どもたち自身がその方向へ進むような指導、問いかけを大切にすることです。
先生自身のコントロール
子どもたちは、皆が同じようには考えず、また行動もしません。
そうするべき時のコントロールは必要とされますが、過剰なコントロールは避けるべきでしょう。
その時点での子どもたちの理解力、判断力を常に把握していれば最小限のコントロールで大丈夫です。
それにともない必要とされるのは、先生が自身をしっかりとコントロールすることです!
感情をそのまま子どもたちに向けたり、自分優先の考え方をしないようにしっかりとコントロールしてみることです。
他者のコントロールはできなくても、自分自身のコントロールはできるものであり、必要なことなのです。